Machinakaの日記

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映画「たかが世界の終わり」批評と感想(ネタバレ) こんな映画観たことねぇ! オープニング音楽の意味を徹底解説!

 

こんにちは! Machinakaです!!

 

 

 

今回批評する映画はコチラ

 

 

「たかが世界の終わり」

 

 

 

 

 

 

 

 

https://www.cinra.net/uploads/img/news/2016/20161101-takagasekainoowari04.jpg

 

 

はい、グザヴィエ・ドランの作品が日本でついにやってきましたー。

 

カンヌでグランプリを取ったという、これ以上ない前評判を取っている映画でございますー。

 

予告編すら調べずに映画鑑賞してきましたー、何と言っても私、これが初グザヴィエなんです!!!

・・・・正直言ってアート映画としか思えねぇwww

 

 

さっそくいってみよー!!!!

 

 

 

 

 

あらすじ

 


『たかが世界の終わり』予告編

「Mommy マミー」「わたしはロランス」などで高い評価を受けるカナダの若手監督グザビエ・ドランが、「エディット・ピアフ 愛の讃歌」のマリオン・コティヤール、「アデル、ブルーは熱い色」のレア・セドゥー、「ハンニバル・ライジング」のギャスパー・ウリエルらフランス映画界を代表する実力派キャスト共演で撮りあげた人間ドラマ。劇作家ジャン=リュック・ラガルスの舞台劇「まさに世界の終わり」を原作に、自分の死期が近いことを伝えるため12年ぶりに帰郷した若手作家の苦悩と家族の葛藤や愛を描き、第69回カンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた。若手作家のルイは自分がもうすぐ死ぬことを知らせるため、長らく疎遠にしていた母や兄夫婦、妹が暮らす故郷へ帰ってくる。しかし家族と他愛のない会話を交わすうちに、告白するタイミングを失ってしまい……。 

 

eiga.com

 

 

 

監督

 

 

監督はグザヴィエ・ドランさん

 

 

https://cdn2.natalie.mu/media/eiga/1604/0404/extra/news_header_xavierdolan_201604_01.jpg

 

僕は初めて見る監督なんですが、なんと俺より年下だって、、、、?

 

そんな奴が映画撮れんのか? 大丈夫なのか、あぁん!?

 

 

と思ったらこの人、前作の「Mommy」でカンヌでもう賞を取ってるんだよね。。。

さらに、今作で、またしてもカンヌでグランプリを取ったという、、、、

 

そして、アデルの大ヒット曲「Hello」のミュージックビデオも監督したり、、、、

 

 


Adele - Hello

 

 

 

俺に才能の1%でも貸してくれよ、、、、

 

もう完璧超天才、超人ですね!!!!

これからどんな映画撮るんだってのwww

 

 

 

はい、そんな超完璧天才グザヴィエくんの映画ということで、私はハッキリ言って斜め上から観てましたよ。なんだよこの天才、どこが良いんだよって。

巷ではイケメン天才監督だって、何オシャレにしてんだよっ! 

俺なんて毎日黒いアメコミTシャツ着て仕事してるんだぞわjふぇじふぁk;;あ

オシャレな監督でオシャレな映画なのかな? さぞかし芸術的な映画なんでしょうねぇぇ~~(白目)みたいな感じて、かなりバカにして見に行ってしまいました。ごめんね、ただのひがみだからwww

 

 

 

というわけで、初グザヴィエ、、初ヴィエしてきた俺が映画の感想を語りまっす!!

 

 

 

 

 

映画の感想

 

 

 

え?

 

え?え?

 

なんだこれ??

 

こんな映画観たことねぇ!!!!!!

 

だってこの映画、、、、

 

まったく話が、、、、

 

話がぁぁぁぁぁ!!!!!!!

 

ココから先は何も言えません笑

 

 

 

 

ハイコンセプト映画の極み

 

はい、驚きすぎてどんな感想述べたらいいか分かりませぬ。本当に感想が難しい映画だ。。。

ただ、一つ言えることは、強烈なハイコンセプト映画である、ということなんです。

 

さて、この映画のあらすじは、

「死期が近づいた男が12年振りに帰省し、家族に自分の死を打ち明けようとするのだが、、、、」というしごく単純な話なんですが、、、、

 

このあらすじ以外のことは何も起こらない、極めて単純な物語運びになっていて、ハイコンセプト(1-2行で話が説明できる簡単な物語)映画であるのです。

 

特に、家族に自分の死を打ち明けようとするのだが」

 

ここだけ取り出しても映画の内容にマッチしてるんです。ハイコンセプト映画の極みだぞこんなのww

 

 

 

 

 

 

 

 

映画は成長物語、の図式を崩す

 

 

普通映画なら、3幕構成になっていて、①主人公の悩みや課題が語られる、②課題を解決する方法が提示される、③数々の試練を乗り越え、主人公は成長する

このような映画の構成になっているのが基本ですよね。特にアメコミ映画なんかだとそうです。

 

 

そう、基本的に映画は成長物語なんだよ!

 

 

でも、この映画は違う、、、、

ネタバレできないけど、、、

 

とにかくこんな映画観たことねぇ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

何も起こらない映画、に見えるが、、、

 

 

 

この映画、一体どれだけの人が理解出来るんだろう、、、、

 

おそらく、映画好きな人じゃない限りほとんど意味が分からないんじゃないか、、、、

あるいは、よほどグザヴィエ監督が好きな人じゃないと理解してもらえないというか、、、

 

とにかくこの映画、歯にモノが挟まったまま話は進み、ずーっとモヤモヤした状態で鑑賞してしまう人が多いと思います。

 

Yahoo映画さんでも、このような感想が挙げられておりました。

 

フランス映画独特のもっちゃり感?結局のところ何が言いたいのか、よくわからないまま終わり感想としては『表情アップが多すぎて、よくわからない映画』でした

 

movies.yahoo.co.jp

 

 

ふだん現代の日本映画に慣れ親しんでる人は、驚くと思います。そして、寝ちゃう人続出すると思うww

 

現に、私の2つ横に座ってた男性は寝てましたwww

 

おいおい、公開初日やぞ!!!!!

 

あとね、俺の後ろに座っていた50代のマダム達が、確認し合うように「言えなかったってことだよね? 言えなかったってことだよね?」

※ネタバレ部分は白文字にしてます!

 

としきりに確認し合っていたのがツボでしたwww いやいやあんたら、そこを議論してもダメでしょうがwww

 

 

 

まぁ、分からなくもない。

映画の前半から中盤にかけては、主人公の家が舞台になって、ただひたすら会話をするだけですからね。。。

 

同じ家でずっと会話してるだけ(だけ、ではないんだが)だから、寝ちゃう人もいるよねー。しょうがないよねー。。。

 

肝心の会話シーンも、まったく無生産的な、それこそ歯にモノが挟まった言い方をする。そこがリアルな家族の会話なのかもしれないけども、、、、それに気付ける人はどれだけいるのだ笑

 

 

 

 

とにかくこの映画を、SNOW画像大好きJK達に見せたい!!! そして、是非ともTwitterで感想を呟いてほしいwwwww

 

 

www.machinaka-movie-review.com

 

 

 

だから、一見するとこの映画は何も起こらないじゃん、、、と低評価を下してしまう人が多いように思える。普段テレビに慣れ親しみすぎて、セリフで物語を追ってしまってる人は理解が難しいだろう、、、、

 

セリフでは何も語りません。何故なら、本音を言いたいけど言えないのが世の常だし、リアルな家族像だからです。

グザヴィエ・ドランが語っていたインタビューで、僕は「不完全なモノを撮りたい」と言っていたことを思い出した。不完全なモノこそリアルだし、それがグザヴィエの目指すところなんだなぁ、、、、

 

だから、映画としては不完全を目指したのかもしれません。ただ、、、、万人ウケはしないぜ、この映画笑

 

 

でも、この映画は確実に面白かったし、興味を持ってしまった私。。。

セリフで伝えず、物語も進展しない、、、そんな映画のどこが良かったのか、これから解説します!!

 

 

 

大事なことは音楽で語る

 

はい、この映画で最も重要なもの。。。それは音楽でした。

 

 

しかも、オープニングで流れた音楽が特に重要でした。。。

遅刻してオープニングを逃した方! あなたは既に映画の意味が分からなくなってるよ!!!!!!

 

セリフで伝えない分、音楽で伝えた映画なので、絶対にオープニングの曲は逃さないでください!!!

 

 はい、オープニングでどのような曲が流れたのか?

 

それは、、、Camilleというフランス歌手が歌う「Home is where it Hurts」

 

是非お聞きください!

 

Home Is Where It Hurts

Home Is Where It Hurts

  • Camille
  • サウンドトラック
  • provided courtesy of iTunes

 

www.youtube.com

 

はい、まずタイトルに注目です!「Home is where it hurts」

訳すと家は傷付けるモノ、だとか家は誰かを傷つける、みたいな意味です。

家に対して非常にネガティブなイメージを持った曲を、映画の最初に流すんです。しかもこの曲でタイトルクレジットを出しますから、相応の意味が込められてるんですけども、、、

 

この曲こそが、映画を物語ってますよね!!! 逆にセリフでは何も語ってないものwww

 

はい、歌詞の和訳はこのようになってます。

 

My home has no door

私の家にはドアがない
My home has no roof

私の家には屋根がない
My home has no windows

私の家には窓がない
It ain't water proof

どんな水も通してしまう
My home has no handles

私の家には取っ手がない
My home has no keys

私の家には鍵がない
If you're here to rob me

私を奪いに来て
There's nothing to steal

盗むものは何もないけれど

 

A la maison

自宅が
Dans ma maison

私の家が
C'est là que j'ai peur

私は家が怖いの

Home is not a harbour

家は希望の港じゃない
Home home home

家、それは、それは、、
Is where it hurts

傷付けるもの
My home has no heart

私の家には心がない
My home has no veins

私の家には血管が流れてない
If you try to break in

割って入ろうものなら
It bleeds with no stains

汚れること無く血を流すわ
My brain has no corridors

私の脳には廊下がない

My walls have no skin

私の壁には肌がない
You can lose your life here

ここで人生朽ちていくのよ

Read more: Camille - Home Is Where It Hurts Lyrics | MetroLyrics

 

とにかく家に対して、「No has」ばかりwww

 

ドアがない家、屋根がない家、、、、そんな家なんてあんのかよwww

ホームレスのご自宅かよって思っちゃいますよねwww 思わないかw

 

とにかく家には保護してくれるものがない、家は傷つくもの、そして、、、家は希望の港じゃない、、、

 

これは主人公の男性の心情を表すような歌詞ですよね。

 

男性も、最初は家に期待していたのですかね。。。 家に帰れば、何かが変わると思ったのでしょうかね。。。。

 

これ以上はネタバレだから言わないけどさ、、、、

 

普通は、家族=幸せの象徴だったり、家=温かい、ようなイメージだと思うんですが、この映画では逆。家にいるのに、とても冷たいイメージがまとわりつく。。。

 

ポリコレ(ポリティカリー・コレクトネス)に縛られずに家族のリアルな描写を扱っているという意味では、アメリカン・ニューウェーブ・シネマのような、ある種の反逆精神を描いてるような気もします。。。

 

 

 

エンディングも良かった

 

そして映画のエンディングにはこの曲が、、、

はい、モービーの「Natural Blues」

 

モービーといえば、「ボーン」シリーズの曲で有名ですよね!!

 

何度も記事で書いてますけども、「ボーン・アイデンティティー」のラストが最高ですよね!!

 

www.youtube.com

 

フォー------!!!!! もう最高!!!

 

 

Natural Blues

Natural Blues

  • モービー
  • エレクトロニック
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

 

Oh Lordy, trouble so hard

ああ神様、酷い事故だ
Oh Lordy, trouble so hard

ああ神様、酷い事故だ
Don't nobody know my troubles but God

こんなこと誰も知らないが神は知ってる
Don't nobody know my troubles but God

こんなこと誰も知らないが神は知ってる

Oh Lordy, trouble so hard

ああ神様、酷い事故だ
Oh Lordy, trouble so hard

ああ神様、酷い事故だ
Don't nobody know my troubles but God

こんなこと誰も知らないが神は知ってる
Don't nobody know my troubles but God

こんなこと誰も知らないが神は知ってる

Oh Lordy, trouble so hard

ああ神様、酷い事故だ
Oh Lordy, trouble so hard

ああ神様、酷い事故だ
Don't nobody know my troubles but God

こんなこと誰も知らないが神は知ってる
Don't nobody know my troubles but God

こんなこと誰も知らないが神は知ってる

Went down the hill, the other day

ある日丘へ下っていって
Soul got happy and stayed all day

幸せな気分になってずっと留まってたのさ

Went down the hill, the other day

ある日丘へ下っていって
Soul got happy and stayed all day

幸せな気分になってずっと留まってたのさ

 

これも映画を観た方には分かる歌詞となってます。。。

 

ただ、物語の順番的にこっちの方がオープニング向きなんじゃね? と感じてしまったのは私だけでしょうか?笑

 

 

 

 

 

大胆するあの曲も使う

 

はい、グザヴィエ・ドラン、そしてフランス映画ということで、なんてオシャレな映画なんでしょ、、、と思っている方もいらっしゃるでしょう。

でも、この映画は全然オシャレじゃない、、むしろ汗がグッチョグチョで、汚いシーンも見せて、すごく大衆的な映画だと思うのです!!

だってこの曲が流れるんですよ!!

 

Dragostea Din Tei〜恋のマイアヒ〜

Dragostea Din Tei〜恋のマイアヒ〜

  • O-Zone
  • ポップ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 飲ま飲まイェイ!!!

 

\i/
~○~  飲ま 飲ま
/i\    イェイ!
  n ∧_∧ n
  八(・∀ .)(八
  凵ヽ U  ~ノ凵
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 L|)\ しi  /
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|酒/    | / ヽ
|_亅    ||米 |
  | _  ||酒 |
  \亅\_⊃|  |
         ̄ ̄

 

 

前評判で、グザヴィエの映画は大胆な音楽の使い方をする、との触れ込みを観たんですが、、、

 

本当に大胆過ぎるwwww ただ、あのシーンで観客が少し休憩できたというか、開放的な気分になれたのは確かです笑

だってずっと「家は辛いよ」みたいなノリで映画進められてもねぇ、、、、笑

 

 

 

はい、というわけで、オシャレな映画に見えて、全然そうじゃない、暗い映画に見えて、全然そうじゃない、、、、

 

 

極めてハイコンセプト、家族のリアルを描いた作品になってたと思います。だって、普通に考えて親に「俺、もうすぐ死ぬんだ」なんて言えないじゃんwwwwww

 

だからあんな終わり方でもいいんだよ、てかそれがリアルだよwww

 

 

というわけで、大変オススメでございますーーー!

 

特にオープニングが良いです! オススメです!!

 

 

 

 

 

 

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