Machinakaの日記

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東宝の映画ビジネスにはもうウンザリ? 映画リテラシーを鍛えよう! 東宝の二期作映画特集!!

こんばんは! Machinakaです。

 

今回批評するのは、東宝の二期作映画についてです。

 

これを書くにあたって着想を得たのは、64-ロクヨンの前編・後編と分けていたことから。

 

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この映画は2部作で構成されており、5/7に公開されたのが前編。6/11に公開予定の後編があります。しかも前編と後編の間隔が非常に短く、なぜ1本にまとめないのかと疑問に感じるかと思います。

 

これをMachinakaは「二期作映画」と呼ぶことにします。

 

 

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1年に2回稲を作ることを二期作と呼ぶみたいなので、これになぞらえてます。

 

 

 

 

 

 1.二期作映画の特徴

 

ここで、二期作映画の定義をしたいと思います。

 

<二期作映画の定義>

 

・前編公開からおよそ一ヶ月後、又は1年以内に後編が流れる

・一本あたり概ね二時間以内に撮られており、3時間を超える作品はない

・マンガや小説原作など、既に他の媒体でヒットした作品が元ネタになっている

 

 

 

 

 

最近二期作映画が多いなぁと思う方いらっしゃると思うんですが、ある共通点があります。

 

それは、多くが東宝配給であるということ。

 

映画好きの方ならご存知かと思いますが、日本で一番の映画会社です。

今時は珍しい、映画の制作・映画の配給・映画の興行と、スタートからゴールまで全てを扱っています。

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https://www.kawasaki-dice.jp/images/shopguide/toho/shop_logo_toho.gif

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映画館を運営している東宝の作る映画で、二期作映画が多い。これって何故かわかりますか? 二期作映画の定義を思い出してくださいよ。

 

映画館にとって都合が良いからですよ!!!

 

 

二期作映画の定義:「一本あたり概ね二時間以内に撮られており、3時間を超える作品はない」

 

映画館で3時間を超える映画って、嫌われるんですね。何故なら、同じ映画料金なのに、2時間映画と3時間映画ではスクリーンの回転率が違うからですよ!

例えば、一番映画館が混んでいる週末の12時から18時の時間帯で映画を流すとしましょう。

 

3時間映画の場合:12:00-15:00、15:00-18:00の2回上映

2時間映画の場合:12:00-14:00、14:00-16:00、16:00-18:00の3回上映

単純計算ですけど、2時間映画の方が3時間映画より1.5倍収益が上がる可能性があるんです。

 

 

 

二期作映画の定義:「マンガや小説原作など、既に他の媒体でヒットした作品が元ネタになっている

 

これは二期作映画に限った話ではないですけども、二期作映画でひんしゅくを買っても、原作ファンなら見に来るだろうという計算だと思います。これで、映画館も映画を流しやすいですよね。ある程度売れる見込みがあるんだから、テレビ局も広告代理店も商社も出資しやすい。

 

 

つまり、二期作映画は映画館の都合で作られているんです! 岩井俊二監督という圧倒的な知名度と人気を誇りながらも、「リップヴァンウィンクルの花嫁」の公開館が少ないのは、上映時間が3時間あるからだと思うんですね。

 

www.machinaka-movie-review.com

 

 

 

2.二期作映画に関する批判

 

 

 

また、この2期作映画については、初めは一本の映画としてとっても、「無理矢理2本」に分けられることがあるみたいです。

同じく二期作映画を作った「進撃の巨人」の脚本を担当した町山智浩さんが明言しています。

 

 

www.youtube.com

 

 

 

この動画の11:30からです。

「ハッキリ言っちゃうと、一本の映画としてやっていたんですけど、、、撮影直前に急遽2本の映画に分かれたので、、、

(中略)

私が(2本に分けることを)決められるわけじゃないですからね」

 

つまり

「進撃の巨人の場合では企画段階では一本の映画として制作する予定だった」

「しかし、急遽撮影段階で2本の映画に分けることにした」

 

 

 

 

この進撃の巨人に関して、著名な映画評論家もこき下ろしています。

 

春日太一さん

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ライムスター宇多丸さん

 で、これは事情をいろんな風に憶測飛んでますけども。これ、もう町山さんに直接聞いてたし、悪いことじゃないから言っちゃいますけど。要は、2本分にした方が予算が増すっていうことです。で、それによって描けるものが増えるっていう事情です。だから要するに、一応良くするための前後篇なんだっていうことですね。なので、決して金儲けのためにっていうわけじゃないっていうのはフォローしておきます。ただ、同時に、なんで予算に見合った企画を立てないのか?とはやっぱり・・・なんか、本末転倒じゃないかな?って思うけど。まあ、でも一応そういうあれで前後篇に分けた。

https://miyearnzzlabo.com/archives/30463

 

つまり、かなり怪しい企画、、、というか予算の計算からスタートして、急遽2本の映画に分けて予算の確保に務めた、、というわけですね。

 

宇多丸さんはかなり遠回しに言ってるけど、無茶な金儲けだよこんなの!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.二期作映画をまとめてみた

 

思いつく限り、こんなに東宝の二期作映画があると思います。

 

今一度、二期作映画の定義を書いておきます。写真を見ながら、定義に当てはまってるか確認して下さいね。

 

 

 

 

<二期作映画の定義>

 

・前編公開からおよそ一ヶ月後、又は1年以内に後編が流れる

・一本あたり概ね二時間以内に撮られており、3時間を超える作品はない

・マンガや小説原作など、既に他の媒体でヒットした作品が元ネタになっている

 

 

 

時系列順にまとめます。

 

 

 

 

 

 

 

2010年

・のだめカンタービレ

https://inlinedive.up.n.seesaa.net/inlinedive/image/nodame.jpg?d=a1

 

 

2011年

・SP

 

https://rinringo.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_ca4/rinringo/sp.jpg?c=a0

 

 

2012年

 

・僕等がいた

https://blogs.c.yimg.jp/res/blog-0b-6e/aoirigo0307/folder/1817557/54/66271654/img_0

 

 

2013年

・SPEC

https://www.meibundo-books.co.jp/news_event/blog-img/specc.JPG

 

 

2014年

・寄生獣

 

https://image.itmedia.co.jp/nl/articles/1411/07/wk_141107kisei02.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2015年

 

 

 

・るろうに剣心

 

https://iwiz-movies.c.yimg.jp/c/movies/pict/p/p/ca/b3/162933_04.jpg

 

 

・進撃の巨人

https://iwiz-movies.c.yimg.jp/c/movies/pict/p/p/4f/f8/158352_04.jpg

 

www.machinaka-movie-review.com

 

 

 

 

2016年

 

・ちはやふる

 

https://chihayafuru-movie.com/images/ogp.jpg

 

www.machinaka-movie-review.com

 

 

www.machinaka-movie-review.com

 

 

 

・64ロクヨン

https://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/04/70230d2f0704e8c1d565d6a9cf843573.jpg

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こちらの記事を参考にしました。

www.oricon.co.jp

 

そして、Yahoo!映画。検索欄に「前編」って入れて検索しましたw

 

movies.yahoo.co.jp

 

 

 

 

 

ちなみに、東宝以外ではこんな二期作映画があります。

 

2006年 ワーナーブラザーズ配給

 

・デスノート

 

https://blog-imgs-29.fc2.com/w/i/s/wisp/060614322~001.jpg

 

https://blog-imgs-76.fc2.com/s/w/y/swyr1111/poster2.jpg

 

 

 

 

2015年 松竹配給

 

・ソロモンの偽証

https://opera-ghost.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2015/03/25/solo.jpg

 

 

さて、2016年はどれだけ前後編映画が増えるかな?

 

 

 

 

 

 

 

4.二期作映画に対する対応を考えよう

 

 

これだけ二期作映画が増えているのは、間違いなく儲かっているからです。

 

 もちろん、2期作にすることで予算が増え、質の高い作品もあることは事実。

実際、「ちはやふる 上の句」は完成度は非常に高かったです。

 

ただ、進撃の巨人を代表するように、駄作も生まれています。

 

つまり、二期作にしたことによって作品の質が確実に低下するわけではない、ということ。ただ、映画会社は無理矢理一本で収まるはずの映画を2本に作っているということもあります(町山さんの証言からも)

 

 

 

私は映画好きなのでどっちにしろ見ちゃうんですが笑

 

 

 

ということで、二期作映画という映画ビジネスを覚えておいてください。

 

以上です!

 

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