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【酷評注意】 タイトルに「エベレスト」って付けないでくれ! 邦画の悪い癖が映画を台無しにした 「エベレスト 神々の山嶺」批評

こんにちは! Machinakaです。

 

今回批評するのはコチラ!

 

「エベレスト 神々の山嶺」

 

 

 

https://tozan-macho.com/wp-content/uploads/2015/02/2015-10-09_095621.png

 

 

 

 

岡田准一、阿部寛のダブルキャストで送る登山映画でございます。

この二人は、邦画界でもトップクラスの俳優ですから、是非とも期待したいところです!!

 

 

 

 

 

 

 

 

1.あらすじ

 

 

第11回柴田錬三郎賞を受賞した夢枕獏による小説「神々の山嶺」を、「愛を乞うひと」などを手がけた平山秀幸監督のメガホンにより映画化。「永遠の0」の岡田准一、「テルマエ・ロマエ」の阿部寛、「そして父になる」の尾野真千子といういずれも実力派のキャストが初共演を果たす。ヒマラヤ山脈を望むネパールの首都カトマンズで、山岳カメラマンの深町誠が発見した1台の古いカメラ。そのカメラは、イギリスの登山家ジョージ・マロリーが、1942年6月8日にエベレスト初登頂に成功したのか否かという、登山史上最大の謎を解く可能性を秘めたものだった。カメラの過去を追う深町は、その過程で、かつて天才クライマーと呼ばれながらも、無謀で他人を顧みないやり方のために孤立した伝説のアルピニスト・羽生丈二と出会う。深町は羽生の過去を調べるうちに、羽生という男の生きざまにいつしか飲み込まれていく。

映画.com https://eiga.com/movie/80572/

 

 


「エヴェレスト 神々の山嶺」予告編

 

 

 

 

 この映画には夢枕獏さんが書いた「エヴェレスト 神々の山嶺」が原作となっています。エヴェレストで最初に登頂に成功した(と言われている)マロニーが使用していたカメラを巡って、カメラマンの深町(岡田准一)と伝説のクライマー羽生(阿部寛)がエヴェレストで出会い、共に登頂を目指す映画となっております。

 

 

 

 

エヴェレスト 神々の山嶺 (角川文庫)

エヴェレスト 神々の山嶺 (角川文庫)

 

 

 

2.本格的なロケ

 

スポーツ新聞でも取り上げられるほどです。

実際に俳優さんがエヴェレストに出向き、かなり高地で撮影をしています。

スポーツ新聞は6000mと言っていますけども、実際には5000m前後の場所で撮っているみたいです。十分すごいですけどね。

 

 

https://pbs.twimg.com/media/B-KVuxQCcAABxLp.jpg

 

先にお伝えしておきます。実際にエヴェレストでロケ地に出向いた俳優陣、撮影スタッフ、本当にお疲れ様でした!!! 撮影自体は素晴らしかった!!!

 

はい、酷評する前にほめておきましたよ。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

3.映画の感想

 

 

ハッキリ言って最悪でした。

 

 

今年ワーストとは言いませんよ。

せっかくの外国ロケでお金も労力も掛けたのに、二時間の映画として作品を観ると、なんでこんなに酷い出来になるんだろう、、、と悲しくなりました。

 

 

もう一度言いますけど、命がけで頑張った俳優陣や撮影スタッフは本当に素晴らしいと思います。岡田准一さん、阿部寛さんの演技は吸い込まれそうになりましたし、お金を払って映画館に行く価値があるなと思いました。

 

https://img.rbbtoday.com/imgs/zoom/507807.jpg

 

 

そう、映画のラストを観るまでは、、、、

 

 

 

 

 

 

 

4.ラスト20分、どうにかなりませんか?

 

 

※ここからはネタバレを含みますので、まだ映画を観ていない方はご注意を!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、では行きますよ。

 

ラスト20分くらいのあらすじです。

 

 

 

羽生(阿部寛)と深町(岡田准一)はエヴェレストの登頂に挑戦しますが、深町は途中で断念。羽生は勇敢にも登山していくのですが、途中で雪崩に巻き込まれて行方不明に。

一旦引き返す深町ですが、羽生の元恋人に説得され、彼女と共に再びエベレストへ。

単独でエヴェレストに挑む深町。頂上付近で、なんと羽生の遺体を見つける。

羽生が持っていたメモを元に周囲を探すと、なんとマロリーの遺体が横たわっていた。

羽生と深町の、友情を超えたアツい会話劇のようなナレーションの応酬が!

死んでも登るべき山がある。マロリー、羽生の意思を受け継ぎ、深町は再びエヴェレストの登山を開始する。

 

 

はい、突然ですがここでクイズです!

 

あらすじの中に、何個ツッコミどころがあるでしょう!?

 

よくよく考えてみると、このストーリーはツッコミどころ満載で、脚本が破綻していると思います。原作があるから、脚色が上手く行かなかったのでしょう。

 

 

ツッコミどころ① 単独でエベレスト登頂など愚の骨頂!!!

 

 

そもそも、深町と羽生の二人だけで登頂したせいで危険を冒してしまったのです。普通なら10人単位とかでチーム制で登山するのが基本!!

そう、主人公の二人は「命を捨ててでもエヴェレストに登る愚かな奴ら」なのです。

 

話は変わりますが、同じく「エヴェレスト」というタイトルが付いた映画がありましたよね。「エヴェレスト 3D」です。

 

 

www.machinaka-movie-review.com

 

 

こちらの映画は、実際にあった登山事故を題材にして、商業登山でエヴェレストに挑むことの愚かさや、エヴェレスト登山のリスクを伝えた映画でした。こちらもエヴェレスト現地で撮影し、俳優が命がけで演技した本格派のエヴェレスト映画です。

 

 

この映画と本作の決定的な違いは、エヴェレスト登山での遭難・事故を「美化」しているか、「リスク」として捉えているかの違いです。

 

本作は、エヴェレストで遭難して、例え死んでも「名誉ある死」として描いてしまっている点が最悪なんですよ! 

羽生はネパールに在住しており、妻と子ども・妻の父親と暮らしていました。ちゃんとした家庭を持った「父親」なのです。もはや一人で自分の生死を決めてよい立場ではないのです。

 

確か、私の記憶が正しければ、登山のため家族と別れるシーンは入ってなかったような。。。とにかく、家族に対する配慮が全く無い人だったんです。

 

それなのに、家庭を捨てて深町と山に登っているんですよ。それで勝手に死んでるんですよ、名誉の死でもなんでもないよ。羽生は大馬鹿野郎です!!!! そんな大馬鹿野郎に感情移入出来るわけがないんです!! これは重罪です。

 

そしてもう一人の重罪人、深町。 行方不明になった羽生を追跡すいるのはいいけど、なんで単独で挑むんだよ!!! 一回危ない目にあったのに、なんで学習しねぇんだよ!! 脳みそねぇのかよ!!! 

 

羽生と深町の奇行を考えると、やっぱり「死ぬためにエヴェレストに登る」って捉えられても文句が言えないわけで、「玉砕覚悟!」みたいな大和魂がこの映画にこびりついているのでは? と思ってしまいました。

 

いくら架空の話だからといって、「死」を「至上」として描くなよ!!! 

家族連れで見に来ている人もいましたけど、こんなの絶対に子どもに見せちゃダメです!!!! 

 

 

 

ツッコミどころ② 遺体が喋るんじゃねぇ!!!

 

 

 

遺体になった羽生を深町が見つけるわけですが、そこで衝撃の展開が!?

 

 

遺体となった羽生が、べらべらと喋りますwww

 

厳密にはメモ帳に書いてある文章を読み上げるのですが、セリフとして喋ってるんですよね。

 

これ目をつぶって見れいれば、まるで羽生が復活したかのように見れるんですよ。

死人に口なし。誰でもわかることですよね。

遺体にセリフを付けるとはどういうことか、死者への冒涜ですよね。死んでもセリフが喋れるんなら、もはや生きてても死んでても同じなわけです。

 

以上の理由から、この映画はエヴェレスト映画として語ってほしくないんですよ。

 

数年後、数十年後、レンタルショップで「エヴェレスト映画って言ってもいっぱいあるなぁー、どれにしようか?」と悩む人がいたとき、この映画を候補に入れてほしくないんですよ!!!

 

というわけで、俳優陣は大変素晴らしかったものの、演出や脚本が最悪という結論です! 

 

以上です!

 

 

 

 

 

 

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