Machinakaの日記

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映画「ラ・ラ・ランド」ネタバレありで徹底解説 ラストの解釈は? エマストーンのドレスの色の意味とは?

 

こんにちは!

machinakaです!

 

前回はネタバレナシでララランドの解説をしましたが、、、

 

 

 

www.machinaka-movie-review.com

 

 

 

 

今回はネタバレありです!!

 

 

 

なので、まだ劇場でご覧になってない方はすぐにGoogleに戻ってください!

 

最初からネタバレ全開で解説してまいりまーす。

 

 

 

 

 

 

 

気をつけてください、ここからネタバレしますーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、ではいきますよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ネタバレ全開で映画の感想

 

 

5年後の冬が訪れてから、本当に目まぐるしく変わったね。情報量が多くて一回じゃ見切れない、、、。

 

いやぁ、まさかエマストーンとライアンゴズリングが別れるとはね、、、

 

 そんで、誰と結婚したかって会食してたプロデューサーじゃないか? 本人的になあまり乗り気じゃなかったんだろうけど、結婚しないと映画にも出れなかったのかなぁ? 

※「S」さんからのご指摘により、ミアと結婚した旦那は会食してたプロデューサーではない可能性が高いです。申し訳ありません。同じ白人で顔が似ていたのですが、俳優が違っています。会食していた人はグレッグ(Finn Wittrock)さん5年後の旦那は、デビット(Tom Everett Scott)さんですね、別人でしたね、失礼しました。。

 

 

 

 映画監督・プロデューサーと女優の夫婦って、あまり特殊じゃなくて結構多いと思う、。

園子温と神楽坂恵、イーライ・ロスの奥さん映画バイオハザードの監督とミラジョボビッチ、、、

 

だから、エマストーンがプロデューサーと付き合うのは妙なことではない。というか、これが現実、、、、

 

そう、エマは現実に染まり過ぎたのねぇーーー。

 

いきなり5年後ってなったから、ライアンゴズリングとあのあとどうなったのか、直接的には何も描かれることがなく、空白の5年間が発生するのだ。

 

ただ、そこを妄想するのが映画ファンとしては非常に楽しい!

エマストーンがあのオーディションの後どうなったのか? そもそもオーディションに受かったのか? ライアンゴズリングとは何故別れたのか、、、

 

それが一切説明されてないのが、逆に良かったです!!

 

解説のしがいがあるってもんだ笑

 

 

 

 

 

ラストの解釈は? 

 

この映画でもっとも印象的なシーン。

5年後の冬、ライアンゴズリングの店(セブズ)にたまたま 来店してしまったエマストーン。

 

ライアンゴズリングがピアノを弾いた瞬間、最初に2人が出会ったジャズバーへ移動している。そこでライアンゴズリングがいきなりエマストーンにキス!!

 

J.Kシモンズが2人をララランドへ誘い、ララランドへ入ると紙芝居・舞台劇のような不思議なシーンが、、、

 

まるでウェス・アンダーソン監督のようなファンタジーなテイストに、みんな目を丸くしたのではないですか?笑

 


『ムーンライズ・キングダム』予告編

 

そこではオーディションに合格したエマストーンがそのままパリでロケを行い、見事に主演女優を射止める。そしてライアンゴズリングと結ばれて新居を構える(鮮やかなピンク色のペンキを塗っている)。子供も生まれてライアンゴズリングと幸せな生活送っている、、、

 

時間にして1分も経たない非常に短いシーンでしたが、実はこのシーンに1番泣かされてしまいました。

 

ララランドに入園してからの一連のシーンは、全て現実とは逆を描いている作りとなっています。だから、エマストーンはあのオーディションには落ちたし、ライアンゴズリングとは結婚しなかったし、子供の父親も別だ。

 

エマストーンがライアンゴズリングの曲を聴いた瞬間、エマストーンは夢を見ていたのです。そう、別の男と結婚したエマストーンは、元カレのライアンゴズリングと久しぶりに再会し、彼はまだ自分のことが好きでいる(店名がセブズで、エマストーンが提案した名前になっていることから予想)ことに気づく。

 

そこでエマストーンは、「もしオーディションが成功して、ライアンと結婚してたら、、、」と夢を見始めるのです。

全ては彼女の夢、、というか理想郷だったのです!!!

 

プロデューサーと結婚し、映画女優の道は開けたものの、それは彼女にとって夢が叶ったことにはなってなかった。

売れる前から付き合っていた男と結婚し、自分の力でオーディションを勝ち取り、女優として母として順風満帆に活躍していくことが、彼女にとっての夢の完成系だったのでしょう。

 

しかし、現実はそうはいかない。二度と過去には戻れない。

 

だから人間は過去の失敗を夢や妄想で補完したがる。それが出来るのがララランドなのだ。

 

過去の夢・妄想が再現され、現実との対比を示す映画は今作に限らず結構多い。

非常に分かりやすいのは「シングストリート」

 

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Sing Street - Drive It Like You Stole It (Official Video)

 

体育館のステージで「Drive it like you stole it」をノリノリで歌い、彼女には賞賛の眼差しで、冷え切った両親の仲を温めて、引きこもりの兄を社会復帰させる、そんな幻想を抱いているシーンがありましたね。。

こういった夢・妄想シーンが映像化された状態のことを、これから本ブログでは「ララランドタイム」って言いますねww

 

まとめると、ラストの夢芝居のようなシーンはララランドタイムだったのです!!

 

 

・注記

ラストのシーンについてですが、僕はミアが見た夢という視点で描きましたが、映画のネタバレあらすじを読むと主体は明らかにセバスチャンですし、彼の夢だったのかもしれません。ただし、演奏後ミアが呆然としているシーンもあったと思うので、ミアの夢かも、、、

もう一度見てきて確認してまいります! 情報量が多くテンポも良いので、初回は考えるより感じる映画(by ブルース・リー)みたいな映画でしたよねー笑

 

 

 

2.28更新 続・ラストの解釈

 

 

→二回目鑑賞して、他の方の意見も聴いて分かったのですが、ララランド状態のシーンは、ミアとセブの二人が同じ夢を観てたんじゃないのかなぁ、、、というのが結論です。

 

実はこの映画、大きく分けて2回ララランド状態がありますよね? 

一回目は、映画館で観ている途中にララランド状態に入り、展望台に登って宇宙でダンスする、、、

このララランド状態は間違いなく二人で夢見てた話ですよね? 

 

 

 

https://www.the-numbers.com/images/movies/La-La-Land-3-News.jpg

 

そして二回目のララランドシーン。これも1回目と対になって、二人でララランドシーンを作り上げてるのかなぁ、、、、。と思うのです。

 

ララランドが発現する条件として、、、

・エマとセブが二人揃っている

・映画orジャズを聴いている

ことが条件じゃないですか。

 

なので、単独でララランドに入ることはありえない、エマとセブにとっては、常に二人で入るのがララランドなんですよ。。。と思ってます。

 

 

そして、証拠ってほどじゃないですが、ララランドに入る時は二人で入ってますよね?

f:id:Machinaka:20170228150739p:plain

 

 

そして、このララランドシーンから分かる通り、モロに監督の趣味が反映されてるなぁ、、、と。

 

監督は映画&ジャズのオタクで、おそらく彼にとっては映画を観ていること&ジャズをプレイしていることがララランドに入れるくらい悦に浸れる、、、夢を観てられるんですよね!

だからミアとセブのララランドシーン(一回目が映画、二回目がジャズを聴いてる時)っていうのは、ミアとセブの話よりも、監督の超個人的趣向が投影されているのかなぁと、、、、

ってか絶対そうだろwww

 

 

 

 

 

エマストーンの服が映画の全てを物語っていた

 

 

はい、エマストーンの服装に着目してみれば、映画の全ての動きが追えるでしょう。

 

まずは映画前半の服装。特に春・夏の季節ですかね。エマストーンはやたらと派手な服装をしていますね。 

 

 夢を持っている時は、鮮やかな色の服。夢を見ることを止め、現実に縛られた状態の時は地味な色の服を着ているのです!

 

 

 

https://www.hawtcelebs.com/wp-content/uploads/2015/10/emma-stone-on-the-set-of-la-la-land-in-hollywood-10-23-2015_33.jpg

 

 

https://www.gotceleb.com/wp-content/uploads/photos/emma-stone/filming-la-la-land-in-los-angeles/Emma-Stone-in-Green-Dress-on-La-La-Land--03.jpg

 

 

 

 

 

信号機かよ!!

 

ってツッコミ入れたくなりますね笑  まだこの時は、エマストーン\( ¨̮ )/ハリウッドに夢を抱いていた時代=実際のハリウッド映画も絢爛豪華な時代を象徴してるんですね。だからエマストーンは50年代のミュージカルの、非常に派手な衣装を着ているのです。

 

 

 

 

そして季節は秋になり、ライアンゴズリングはジャズで成功を収めつつある中、エマストーンはオーディションに落ち続けている時。

彼らの夢の目標達成度は、エマストーン<ライアンゴズリングとなっている。

 

その時の服装は、、、、

 

https://www.hawtcelebs.com/wp-content/uploads/2015/10/emma-stone-at-la-la-land-set-in-los-angeles-10-07-2015_7.jpg

 

 

https://i.ytimg.com/vi/uUB1YfEMGS4/hqdefault.jpg

 

 

どんどん私服に変わっていき、服の色の鮮やかさを落としていくのです! 後半は、ドレスを着る機会がなくなっていく、、、、つまり、夢を見ることを止めていく過程を、服で表現しているのです!!!

 

 

 

 

そして5年後の冬のシーン。

 

 

 

https://thestudioscoop.com/wp-content/uploads/2016/08/Emma-Stone-On-the-set-of-La-La-Land-01-662x993.jpg

 

最後は鮮やかさを一切無くし、真っ黒なドレス。

高級なドレスだろうけど、エマの顔は曇ったまま、、、つまり夢を諦め、現実を見つめるだけのツマラナイ女になってしまった、、、、

 

 

ララランドに入る資格もない、現実的な色になってしまったのです。

 

 

 

 

 

 

 

Someone in the Crowdがライアンゴズリングだったら、、、

 

Someone In the Crowd

Someone In the Crowd

  • エマ・ストーン, キャリー・ヘルナンデス, Sonoya Mizuno & Jessica Rothe
  • サウンドトラック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

You got the invitation, you got the right address

君は招待状をもらった、本当の住所をゲットしたんだ!

You need some medication, the answer's always yes

処方箋が必要だけど、答えはいつだってYes。

A little chance encounter could be the one you've waited for

待ち焦がれたチャンスに出くわすことなんてそうそうありゃしない。

Just squeeze a bit more

ただもう少しだけ、招待状を握りしめる

 

 

Tonight we're on a mission, tonight's the casting call

今晩の使命は、「今晩の配役募集」

This is the real audition, oh God help us all

これが本当のオーディション。嗚呼、神様、私たちにご加護を!

You make the right impression then everybody knows your name

君が印象を残せば、みんな君の名をしるところになる。

We're in the fast lane

そうすれば、もう追い越し車線にいるようなものだ。

Someone in the crowd could be the one you need to know

群衆の中にいる誰かだって、君が知らないといけない人になれる。

The one to finally lift you off the ground

一つの作品が、上昇のきっかけになる。

 

Someone in the crowd could take you where you want to go

群衆の中にいる誰かが、君が行きたいところに君を連れて行ってくれるよ

If you're the someone ready to be found

もし、君が見つけられるべき「誰か」であればね。

 

mac-nakamor.hatenablog.com

 

 

 

 

監督の人生が反映されていた作品 監督=ライアン・ゴズリングの図式

 

 間違いなく、監督のデミアンさんはライアンゴズリングに自分を投影してましたね。

 

監督は、映画監督やる前はジャズドラマーを目指していたらしく、挫折して映画監督になったらしいです。

どっからどうみても、映画監督に転向したのは挫折ではなく栄転だし天職としか言いようがないんですけど!!笑

 

ただ、本人的にはジャズドラマーの夢をまだ引きずっているように見えます。監督のジャズ好きはそのままライアンゴズリングに乗り移る形となり(脚本も、監督が兼任してる)、「ジャズは死んだ音楽」というセリフは監督の魂の叫びなんでしょう。

 

 

 

監督のインタビューで、このような発言を見つけました。 

「ラ・ラ・ランド」は、デイミアン・チャゼル監督が、「セッション」(2014)より前から構想を抱いていた情熱のプロジェクト。無名の若手監督が、当てるのが難しいとされるオリジナルミュージカルを作りたいと言っても、お金を集めるのは至難の技で、チャゼルは、自分に映画が監督できるということを証明するために、まず「セッション」を作っている。 

 

 

bylines.news.yahoo.co.jp

 

実は本当に作りたかった映画は「ララランド」だったと言うのだ。しかし、この映画を作るためには莫大な予算が掛かるし周りの信用が必要。そのために「セッション」を撮ったのというだから驚きでござる。。。

 

1番の理想はララランドを作りジャズは最高なんだ! 映画は最高なんだ!という映画を作ること。でもそれはすぐには出来ない。

 

「少々遠回りしても、確実に夢を叶えてやる」という戦略ですよね。で、今回は見事にその、戦略が当たったわけですが。

 

実はこれ、ライアンゴズリングも同じことやってますよね?

 

夢のために低予算の映画セッションを撮り周りの信用を得た監督デイミアン=夢のために雇われバンドで一生懸命働き、店舗開店のための予算を貯めたライアンゴズリング。

 

2人とも夢を叶えた訳ですが、通った過程は非常に近いものがあるんです。

周りでは天才って言われてるデイミアン監督だけど、彼自身は、結構遠回りした人生だったと思ってるのかもしれません。

そう思わなきゃ、ライアンゴズリングはあんなに苦労させられませんよ。

 

ただちょっと面白いと思ったのは、ライアンゴズリングが入ったバンドが思った以上売れてましたね。ライアン自身もこんなに売れるとはって思ってたと思うし、観客の僕も「え、こんなにライアンが売れてるのってアリかよ? エマストーンとのバランス悪くね?」と思ってたのですが、これってもしかしたら「セッション」の思わぬ成功のメタファーだったのかもしれませんね。。。

ってこれは完全に妄想です www

 

 

 

 

Yahoo!映画の低評価に物申す!!

 

 


映画ファンが多いと言われるフィルマークスでは4.3/5.0、一方こちらのYahoo!映画では3.5/5.0で、評価が明らかに違う。そして、Yahoo!映画のレビューで星一つ付けている人の感想文を読んで愕然とした。。

 

 

 

 

映画を何一つ理解しようとしてないのだ。また、結末について「自分が想像してたのと違った」という理由で星一つ付けている人がいる。

これは由々しき事態だ。と憤りを感じたと同時に、一つ腑に落ちた点がある。「君の名は。」がなぜ高評価で、本作がなぜ低評価なのか、と。
日本の観客は、映画に対して意外性だったり作家性を求めていない。自分が好きなストーリー展開をする映画に多くの星を付けるのだ。

つまり、映画をテレビのように見ているのである。テレビと映画と徹底的に違う点は、テレビは自分が気に入らなかった番組はチャンネルをすぐ変えればいい。しかし、映画はチャンネルを変えることができない。ずっと気に入らないモノを2時間見せつけられるわけだから、そりゃ星の一つもつける。

 

 

 

この映画は「往年のハリウッド映画の復活」と「ララランド=夢見がちな男女の青春物語」という二つの視点を持っていないと理解が難しい。しかし、劇中では一切の説明がないため(じっくり見れば意味がわかる)、理解することを放棄してしまう観客が多いのだろう。

 

そんな人にはよくよく考えてほしい。映画記者たちが採点するゴールデングローブ賞を総ナメし、映画人たちが採点するアカデミー賞でも最優秀賞との呼び声が高い作品なので、そんな映画玄人たちの琴線になぜ触れたのか、どこに映画の魅力があるのか探すべきではないか? 

自分の筋書き通りにストーリーが進まないから、という理由で低評価を付けた人は、君の名はを100回見ると良い。しかし、それだけじゃ視野は広がらない。映画を見ることは知的刺激を受けることに等しい。知的刺激とは、自分がまだ踏み込んだことのない領域に足を進めることだ。
ララランドで驚き、なぜこれが好評価なのかを考えてほしい。その意味がわかった時、あなたは大きな感動に包まれるだろう。

 

低評価 を否定したくないのだが、もう少し映画を理解しようとする気概はないものか? 全部自分通りの作品なんか見て面白いか? 新たな発見をしたくないのか?

 

 

 

とりあえず以上でございますーー。

 

 

 

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