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映画「白鯨の戦い」 ネタバレあり感想解説と評価 ゴリゴリのアクション映画と思いきや、、、

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この記事では、「白鯨の戦い」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

今回批評するのはこちらの映画

 

「白鯨の戦い / in the heart of the sea」

 

 

 

白鯨との闘い(吹替版)

白鯨との闘い(吹替版)

  • 発売日: 2016/04/20
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

はい、日本でも大きく宣伝してましたね。

 

ラッシュ・プライドと友情でヒットを飛ばしたロン・ハワード作品です。

 

 

日本タイトルは白鯨の戦いになってます。

予告をご覧ください。

 

 

 


映画『白鯨との闘い』予告編

 

 

 

 

 

そして、英語タイトルは in the heart of the seaとなってます。

 


In The Heart Of The Sea – Official Trailer - Official Warner Bros. UK

 

 

日本タイトルだけみたら、すっごいB級タイトルみたいな気がしませんか?

 

船乗りとモンスターのバトルみたいな、、、。バケモノクジラと人間との戦いを描く。。みたいなね。

 

 

 

しかし、実際は大きく違っていました。

 

 

 

日本タイトルは完全に原題の改悪でしかないと思います。

 

原題通り解釈すれば、この映画は心温まる話であるし、歴史的な意義を感じる一作になっています。

 

 

 

白鯨とは

 

アメリカで非常に有名な小説「白鯨」です。1851年に作られた作品なので、アメリカでは夏目漱石・太宰治よりも大クラシックなものだと捉えて良いでしょう。

 

これまで多くの映像化がありましたが、本作は小説が原作ではなく、原作のモデルになった捕鯨船の事件を描いています。

 

 

 

アクションもいいが当時のアメリカを知るためにも良い映画

 

クジラとのアクションシーンを期待していた皆さん、ハッキリ言いますけどクジラとの戦いは、、、ほとんど盛り上がりません。

 

というのも、一方的に人間がクジラを殺すか、一方的にクジラが船を襲うかしかないので、戦い方自体には何もカタルシスがありません。

 

もちろん、カメラワークは素晴らしいです。引きで撮ったり、帆を真下から撮ったり、水に浸かりながら撮ったり、いろんな角度からクジラに襲われる恐怖を語っています。

 

しかし、アクションシーンはそんなところです。

 

この映画を見て印象に残ったのは、当時のアメリカのクジラに対する倫理観です。

 

1800年ごろのアメリカでは、クジラから出る脂「鯨油」が一大ビジネスとなっていました。石油や石炭が使われるよりずっと前の話です。昔はランプなんかも、鯨の油を使って燃やしていたんですね。

 

そのため、アメリカの港から捕鯨船を飛ばして、世界各国で鯨を狩りまくっていたのです。

 

あれ、でもおかしくないですか?

 

今日本の捕鯨で大変お怒りになっている「シー・シェパード」は、アメリカの保護団体なんです。

 

和歌山県にまで来て過激な活動を行っているので、北米では鯨なんで絶対食べてないと思ってました。

 

でもアメリカでもかつては鯨産業があったぐらいですから、どっちもどっちなんですよね、時期が違うだけ。

 

 

 

鯨と目が合うシーンを考える。

 

鯨=お金。鯨=絶対に倒すべき敵。というふうに考えられてきた当時のアメリカ。

しかし、鯨を実際に捕鯨し、その怒りに触れた船乗り達。船は見事に撃破され、皮肉にも倉庫に積んでいた鯨脂が火種となって大火事が起きてしまいます。

 

あのシーンこそ、捕鯨をするとこんな目に遭うぞ。絶対に鯨を攻撃するな!という強烈なメッセージでしたね。

 

そう、この映画は「鯨との戦い」をイメージさせながらも、実際の中身は反捕鯨映画に映りました。現代アメリカ人が考える道徳観を反映したものかと。

 

鯨に船を撃破された後、何ヶ月も漂流していた乗組員たち。そこで一匹の鯨と出会います。

 

何も食べていない乗組員たちには、食料の確保が欠かせません。奇跡的にも鯨はかなり弱っている様子。

 

船長の次に偉い一等航海士(クリス・ヘムワーズ)が槍を持ち、攻撃しようとします。しかし、

 

どアップに、美しく映される鯨の瞳

 

http://filmonic.com/wp-content/uploads/2015/11/In-the-Heart-of-the-Sea-whale-eye.jpg

 

http://filmonic.com/wp-content/uploads/2015/11/In-the-Heart-of-the-Sea-whale-eye.jpg

 

ロン・ハワードの夕焼けの表現はとても美しくて大好きだったのですが、このシーンは特に太陽と海とのコントラストが素晴らしかったです。

 

この瞳を見て、鯨を攻撃することを止めてしまうんですねーーー。

 

 

ここは私の解釈ですけど、初めて人間と鯨の立場が一緒になった瞬間ではないかと感じます。普段は殺害する対象でなかった鯨が、初めて人間と目が合う。

 

鯨って普通なら群れで行動するんです。何百頭と一緒に。でもこの鯨は一人ぼっち。つまり、この鯨も漂流しているんです。人間と同じように、故郷に帰りたいのです。

 

そんな可哀想(に見える)鯨を殺しますか!? 

 

殺すわけがないですよ、だって鯨が可哀想だもん!!

 

 

そして、殺す意思がないと悟った鯨は(どんな方法でメッセージを受け取ったのか、、、)、何事もなかったように去っていきます。

 

これ見た時に、本当に都合の良い鯨の使い方をしているなぁーーと私は思ってしまいました。実話に基づいた話というのですから、信じるしかありませんけどね。鯨の演出がすごいなーと感じてしまいました。

 

 

 

というわけで、政治家たちが見たら怒る(かもしれない)反捕鯨のイメージが強烈な映画でした。

 

でもよく考えると、ミケランジェロ・プロジェクトの公開を遅らせたり、アンブロークンを反日映画だと言って非難するくらいですから、映画を観る目はないんでしょうね。

 

 

思ってた以上にとても真面目な映画でした。

 

オススメです!!

 

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